お客様から平成22年7月場所・名古屋場所の番付をお土産に頂き、お店に飾った。
大相撲番付、最高のインテリアである。
色々騒がれた大相撲・名古屋場所は白鵬が大鵬に並ぶ四五連勝をマークしたが、TVでは残念ながら・・・
番付をみながら・・・思う。
しかし日本人てぇのは、その集団ヒステリック症状相変わらずと。
大相撲賭博問題も、今さらながら大騒ぎするするのはナンダかなぁ〜、と辟易している。
そんな騒ぐほど、心身ともに健全な生活を皆さんされておられるのか、と。(^^)
日本相撲協会特別調査委員会が、
「
相撲力士は狭い社会で育ち、外を知らん、ここを改革せい」
と宣ってきた。
その矢先、特別調査委に委員を出している「
日本プロスポーツ協会」が、夏場「維持員席」整理券を暴力団組長に流していたのが発覚した。
特別調査委員の
日本プロスポーツ協会副会長は辞任する羽目になった。
日本プロスポーツ協会そのものが大相撲「維持員席」整理券の
流布経路・温床であったということは、その協会傘下のプロスポーツ団体はどうなっているのか?
「
狭い社会・外を知らない」などという指摘は、実は何も本質的なことを語っていない。
若い10代から部屋制度の中に放り投げられて、ただ番付を1枚1枚登って行くことに全てをかける、そもそも狭くて閉ざされた世界だから成り立つ世界で、世間など知らないのは、当然の「ゴッツアンデス」世界だ。
そんなことを言って何か指摘したと、言った本人が勘違いされているのではないか。
特別調査委員や独立委員会委員は、大変なのだろう。
が・・・、角界の改革などそう拙速にできるものなのか?
民主党とダブル。
マニフェストに縛られて、即効性に引きずられ、にっちもさっちもいかなくなっている姿が、そこにダブってみえる。
国民は、拙速な対処など求めていない。
任期4年でどうできるのか、1年目、2年目・・・と行程を明らかにし、それをどう実行しどれだけ達成したかを見守ろうとする。
そのプロセスでの説明責任を求めているのに、政権を取ってナンデもやれると錯覚し舞い上がった。
そもそも政権担当能力など未知数でやらせてみるか、と思っただけなのに。
誠司・・じゃない、政治も角界も、どう立て直し、どう文化の香りを残し、どう時代にあわせるかの「
本腰」をいれることこそが、求められている。
古い時代から生きてきた伝統文化には、複雑怪奇・魑魅魍魎ともいえる勢力の絡み合いが当然あって、それを「
負の遺産」という要素をもってあげつらうだけでは、何も語ったことにはならない。
ましてや「負の遺産」だけを取り上げ、それだけをワンタッチで取り外して捨てればいいでは、根本解決にならない。
かつてバブルの時代、リゾート開発をどの省庁も後押しし、困窮する地域はそれを押しつけられて地域は対立しながら「
悪魔の選択」に走った。 結果は暴力団顔負けのツケ馬つきの一層の負債を抱えてしまう羽目になったのは、記憶に新しい。
そして、そのツケ馬つきの負債を二束三文で買い抜ける再建屋を跋扈させるというアフタフォローつきだから恐れいいる。
角界改革の「独立委員会」のメンバーの早大元学長が、「大学の管理強化や学生運動セクトを追放した実績」だけで選ばれたらしいが、大学と角界の世界を同じにみたら火傷するだろう。
かつて、小樽運河保存運動時に私達は今のフリーマーケットの走りといえる素人出店を「テキ屋」ばりに仕切って、小樽運河を450軒以上の出店に二日間で30万人以上のお客様を招き入れ、運河を人垣で包み込んだものだった。
全て若者が準備するイベント・ポートフェスティバルと銘打ったものだった。
警察が祭りから「暴力団排除」を狙って協力をしてくれ、お祭りに必須の「テキ屋」を排除し、素人のみの出店の場所割りも警察の柔道場でやったものだった。
その説明会に本物の「テキ屋」が素人を装い紛れ込んでいたらしく、夜、テキ屋組合の親分が子分を沢山連れて弊店に現れ、お客様は逃げだしスタッフはびびり商売にならないので、改めてテキ屋組合の親分のお宅にお邪魔するということで引き取ってもらった。
母と連れ合いは、まるで殺人鬼の中に私が行こうとするかのように騒ぎ立てた。
翌日、実行委は「テキ屋」=「暴力団」=「恐怖」で紛糾し、結局一番年かさのYと私二人で親分宅にお邪魔した。
黒いスーツの若衆達に回りを囲まれて座り(^^)、親分と対座した。
日本テキ屋道の歴史から数時間も話をしたが、結局は、
「おまえらの小樽運河の祭りわな、俺らの世界では『大旗』というランクでな、
北海道では北海道神宮例大祭とお前らの祭りだけが『大旗』クラスだ、後は
皆中旗・小旗のランクだ。
そこに小樽のお祭りを仕切る俺らがいないとなったらメンツがたたねぇんだ。
どうしてくれる。
テキ屋参加も認めろ。」
という話だった。
利害とメンツだった。
450軒もの出店申請がある祭りで、テキ屋が素人の振りして来ればいくらチェックをしても無理で、イベントがオープンしたら「テキ屋」だったとわかると今度は実行委や一般出店者が大騒ぎとなり混乱もする。
出店出店者リストを警察に見せチェックを受けるなど、とんでもないことだった。
で、一ヶ月間、親分のお宅に通い続け、
「親分のメンツもわかる。
だったら明らかにテキ屋とわからない容姿になるのを約束して貰いたい。
出店の列の角々だけ場所を実行委がキープする。
他の町のテキ屋組合の親分衆が様子見にきても小樽では親分が仕切っているという風
になる。」
と・・・、それで手打ちした。
Yと私には「テキ屋も人間だ」という思いが底流に流れていた。
親分の横に座る子供時代から顔見知りの若頭風の子分もホッした表情を浮かべて。
あとで、○暴担当刑事に、Yと私はしこたま叱られたが・・・。
しかし問題はそれからだった。
それ以降、警察は小樽の様々な祭りにこの小樽運河保存のお祭り・ポートフェスティバルの出店モデルを導入し、「住民主体」という美辞麗句でありとあらゆるお祭りからテキ屋を排除していった。
その結果、どのお祭りも素人の「くじ引き」出店だらけの気合いのない縁日となってしまい、結果、祭り自身の勢いを失っていき、どの祭りも廃れていった。
そもそも
、危なく妖しく面妖な空気・雰囲気が祭りの縁日にとって重要な要素だったのに、それを排除して祭り自体の濃さを薄めて見かけだけの健全さを追ってしまい、祭りそのものを重態患者にしてしまったのだった。
今の相撲協会の改革論議が、それにダブル。
独特の部屋制度があり、師弟制度があり、番付取組の編成もあり、興行という世界があって成り立ってきた。
それを弄れば弄るほど、現在の大相撲とは全く別個の、文化と伝統の香りもない、清潔感だらけの味も素っ気もないものになっていく・・・のは必然だ。
国際化という大儀の中でポイント制になってしまった柔道がその先例だ。
勿論、暴力団が巣くい賭博の温床になることを許すなど言外だし、部屋で死傷事件が起こるのも論外だ。
兎に角、部屋持ち親方に金さえあればすぐ部屋株を買えてそれで大相撲理事会メンバー候補になれるシステムが問題だ。
現役時代の活躍とスポットライトの照射度だけで親方になれるのが問題であって、弟子の育成や理事会運営などという能力は、引退までに備わるわけではない。
賭博に手を出した力士達より、親方が問題なのであり、そこをどう克服するかしか、今の大相撲の生き延びる展望はない。
賭博賭博というが、世間ではパチンコや競艇・競馬が許され、裏では関係省庁に権益を牛耳られている。
それをみてTOTOやロトが作られ、暴力団も顔負けのアガリと利権と天下り装置に群がったのはどこか?
他方で、違法カジノがあり、違法野球賭博があり続けた。
世間でも、ゴルフや麻雀、トランプでウマがあり続ける。
浜の真砂は尽きるとも・・・
なのに、皆、善人面だけするヒステリック症状は・・・ゴメン被りたい。