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観光庁長官・溝畑さん、今度は「嵐」ですか?
JUGEMテーマ:観光まちづくり



 エリマキトカゲというキテレツなトカゲが大ブームになったのを覚えている人は、今もたくさんいるだろう。
 1984年、三菱自動車のミラージュのテレビCFが火付け役だ。
 二本足でひよこひょこ走るエリマキトカゲと快走するミラージュを交互に映しながら
 「のびのびと好きな道を行きましょうよ」
とやる。
 なんとも珍妙で剽軽な姿が人気を呼んで一気にブレイク、同年6月には初来日(?)を果たし、TV番組や雑誌に頻繁に登場、エリマキトカゲの唄、エリマキトカゲ音頭などのヒット曲も相次いで、世の中、右も左もエリマキトカゲだらけになった。

 この空前絶後のエリマキトカゲブームには裏話がある。
 これだけ爆発的な人気を博したのだから、さぞや三菱ミラージュは売れたのだろうと思いきや、実は売れ行きはさっぱり、ほとんど実売に結びつかなかったのである。
 テレビCFをオン・エアした当初こそ、宣伝部には全国から「エリマキトカゲは何を食べてるの?」とか「どこで寝てるの?」「四つ足では歩かないの?」等々の質問が電話がパンクするほど寄せられたが、エリマキトカゲ人気がうなぎのぼりに高まるほどに、逆にパッタリと電話が減って行く。
 つまり、エリマキトカゲは車が売れる前にさっさとミラージュを降りて一人歩きをし始めてしまった。まさに、エリマキトカゲは天性のキャラで「のびのびと好きな道を行っちまった」わけだ。
 イージーにこれにあやかろうと目論んだ三菱自動車は、人さま頼りの虫の良さを大いに反省するしかない。広告代を返せと言っても後の祭りだった。

 動物をキャラクターにしたCMで成功したのは、ソニーのウォークマンだろう。




 靄に霞む湖(箱根の芦ノ湖らしい)をバックに、ニホンザルのチョロ松がウォークマンを手にイヤフォンの音楽にじっと聴き入る。
 微動もせず、時折、目を伏せ、瞑想しているかのようなチョロ松の映像とBGMの世界は、見ている者の目頭を熱くさせるほどに感動的で印象的だった。
 1987年のこのTVコマーシャルで、ウォークマンはトッププランドとしての地位を不動のものにした。
 このウォークマンのCMの素晴らしさは幾つかある。
 エリマキトカゲはミラージュに乗っていなかった。
 が、チョロ松はしっかりウォークマンを持っていたという、商品とキャラクターをしっかり繋げた秀逸な企画が、先ずは挙げられよう。
 それもあるが、それ以上に、観る視聴者に「物語」を予感させた演出が素晴らしい。猿が音楽を聴いて瞑想する、観る者はその奇異な光景の向こう側に神秘的で情緒的な物語の存在を無数に予感する。その架空の物語がそれぞれの消費者の心の奥底に沁み込む。
 それによってソニーのウォークマンは単なる機械ではなく音楽そのものに異化する。ハードウエアの性能は、音楽というソフトウェアに昇華する。
 この、心を掴まえる物語の演出が何より素晴らしく、これが成功の根幹要素だろうと思う。


  さて、お隣韓国の観光PRのキャラクターは、ペ・ヨンジュン。
 あの「冬のソナタ」のヨン様である。




 旅人に水を出すときは一息に飲んでむせないように柳の葉を浮かべて出したという古くからの韓国のもてなしの心を語りながら、朝もやの森の中でヨ ン様が一杯の水を飲んで微笑する。詩情豊かな物語性にあふれた映像で、極めて質の高いテレビCFである。
 新聞広告も、古寺を背景にヨン様が輝く ように微笑み「今、韓国に来て下さい」と語りかける。
  この広告も奏効して、「冬のソナタ」や韓流ドラマにちなむスポットにはいまだに日本の女性観光客が大挙して訪れている。

 韓流ブームの先 駆けとなった「冬のソナタ」は、2003年にNHK-BSで放送されて人気を博し、2004年にはNHK総合で再放送された。この2004年だけで観光な ど含めた経済効果は韓国・日本両国あわせて2,300億円と云われた。
  あれから6年経ってもいまだ冬ソナファンは根強くいるから、経済効果の累積は今や1兆円など遥かに凌いでいるだろう。
 驚くべきはこの経済効果= カネの高ではない。
 この効果をもたらしたものは「たった一つの物語であったこと」。
 その物語によって何百万人の人の心が動かされ、音 楽を聴き、グッズを買い、旅に出かけたということである。物語の持つ力がいかに大きいか・・・経済効果はその結果でしかない。

 実は「冬 のソナタ」の物語は、小樽で生まれた。
 このことは、小樽では常識だが全国的にはそれほど知られていない。

 1999年、日本映画が解禁 になりたての韓国で、岩井俊二監督、中山美穂主演の映画「Love Letter」(日本での公開は1995年)が公開された。
  公開されるや、たちまち130万人を超す大ヒットとなった。映画に屢々出て来る「お元気ですか?」というフレーズが流行語となり、若者はあちこちで「オゲ ンキデスカ、ワタシハゲンキデス」と挨拶し合った。
 この映画の舞台が神戸と雪の小樽で、この2つのまちで綴られる恋の物語が岩井監督独特の美し い映像美で語られ、この感性が韓国の多くの若い人たちの心を掴んだ。「冬のソナタ」のユン・ソクホ監督もまたこの映画に感動した一人で、これをもとに「冬 のソナタ」を創った。ユン・ソクホ監督自身「冬のソナタはLove Letterのオマージュ」と語っている。のちに続く韓流の恋物語はほとんど「Love Letter」に触発され影響されたものといって決して過言ではない。

 気候が似ていたり詩情豊かな街並もあって、とりわけ雪の小樽は韓 国の若い人たちの旅情をそそり、1999年の「Love Letter」韓国公開以降、小樽への韓国人観光客は激増した。
 観光客ばかりではな く、毎年2月に開催しているイベント「雪あかりの路」には毎年多数の韓国の若い人が準備や運営作業にボランティア参加してくれている。その数は今年まででのべ五〇〇人以上という厖大な数に達している。

 彼らは単にカネ稼ぎのアルバイトに来るのではなく、小樽のまちで小樽の人々と交流し、雪あかりの美 しいイベントをつくることに喜びを感じてやって来る。
 小樽のまちの物語に同化したいのである。
 「Love Letter」というたった一つの物語が「冬のソナタ」を生み出し、小樽と韓国の人々が互いを憧れて訪ね合い、心の共感を育んでいる
 ・・・日本人の韓国人 に対する親近感が、1997年の48%が2002年には69%に、韓国人の日本人に対する親近感が1997年の29%が2002年には38%に上昇したと いう。
 これは明らかに「Love Letter」「冬のソナタ」効果であろう。
 「Love Letter」や「冬のソナタ」など韓流ブームに続いて、今また「狙った恋の落とし方」という中国映画が中国国内で大ブレイクし、ロケ地の北海道阿寒に中 国人観光客が激増している。
 この中国映画は札幌出身の似鳥昭雄氏(家具の全国チェーン「ニトリ」社長)が故郷の北海道に恩返しということでプロデュースしたものだ。再び「物語」が、 今度は中国と日本との間に新しいムーブメントを興しつつある。

 物語を通じた心の交流は、カネにかえられない貴い効果を生む。
 その価値を思えば、経 済効果はちょっと嬉しい「おまけ」にすぎない。


 
 さて、日本はというと・・・
 4月8日に観光庁が日本の外客誘致のPRに当代随一の超人気アイドルグループ 「嵐」を起用すると発表した。「国が認めた日本の顔」として「観光立国ナビゲーター」に任命したという。
  これに先立つ3月26日に、台湾の人気アイドルグループ「飛輪海(フェイルンハイ)」が、台湾観光のイメージキャラクターとして来日し、日本人観光客の誘致PRを行った。
  「飛輪海」vs「嵐」の日台アイドル合戦、これに韓国のヨン様も加わって、まさに日・台・韓三つ巴の観光客誘致戦争の勃発である。

 が、 どうもスッキリしない。
 この様相にどうも素直にノレない。
 観光って、そういう戦争なのだろうか。
 客の袖引き合戦なのだろうか。
 溜息が とまらない。
 そう感じるのは私だけだろうか。

 「狭い日本、そんなに急いでどこへゆく」という標語があった。
 昭和 48年(1973)の全国交通安全運動の標語募集で総理大臣賞を受賞した、高知県のおまわりさんが考えた標語である。
 時代は高度成長期の終焉期、馬車馬のように働いて疲れていた国民の心の一隅を見事に突いてすっかり流行語になった。
 「嵐」起用のニュースに接して、思わず
 「観光庁、そんなに急いで どこへゆく」
と呟いてしまった。

 前原大臣は、観光を成長戦略と捉え、訪日外国人3,000万人を数値目標として高々と掲げた。これを受けて溝畑 長官はスポーツ観光と称してイベントプロモーター稼業に走り、今度は人気アイドルグループを起用しての宣伝合戦を仕掛けた。
 外国人客が来れば儲 かって日本が成長する。
 だから遮二無二客引きをやるのだ。
 それはそうだ。
 が、観光はそういうものかい?と思う。
 観光庁は観光宣伝庁であるのか。
 国の観光戦略というのは単なる客引き戦略であるのか。

 溝畑長官は
 「嵐の5人が観光庁長官になった方がいい。一緒に観光大国に向かって戦う大きな力になる」
と述べたという。
 観光庁長官は広告塔なのか。
 観光宣伝庁の長官であるのなら確かに嵐が長官になった方がよい。

 そうであるなら前原大臣は(前長官を問答無用でクビにした如く)即刻溝畑長官を更迭して嵐に長官の辞令を交付した方がいい。
 観光庁は広告代理店ではないし、観光庁長官は広告塔じゃない し、観光って、そういうものじゃないでしょう。
 超人気アイドルを起用したりして時代の最先端を走るヒロイックな高揚感と恍惚感に浸っているうち に、観光の本道から横道にそれているのではないか。
 地域から心が離れていっているのではないか。。。

 観光は、地域経済に貢献するが、カネ儲けを目的にした途端に人の心から離れる。
 少なくとも国際間でガサツなカネ儲け競争に打って出ては、またぞろエコノミック・アニマルの誹りを 蒙るだけだろう。
 国際観光は国際交流であり、国の知性や文化の相互理解と交歓である。
 それを求めて国際間を人は移動する。
  ゆえに、国際間の人と人との心をつなぐのが国際観光振興であろう。
 2008年の日仏友好150周年の折、フランスが創ったビジュアルは、着物と エッフェル塔を融合させたり、安芸の宮島とモン・サン・ミシェルを同じ海に配したデザインであった。

日仏友好150周年ポスター

 融合という観点も素晴らしいし、宮島もモン・サン・ミシェルも海で繋がり、引き潮になれば大地で繋がるという発想も素晴らしい。
 観光の本質を見ている観光大国フランスの国際視点と知性には思わずうならされたものである。

 人の心はたやすくは動かない。
 焦らず、じっくり、世界の人々が互いに理解し合える交流基盤を醸成していくことが肝要である。
 それこそ、国が為すべき国際観光政策の基本であるべきと思う。
 少なくともOECD 先進国の立場にある日本はそうありたい。

 これは国内であっても同じ。
 地域と地域が互いに理解し合い、それぞれの良さを交歓し合うこと。
 そうしていけば結果として観光経済の振興に繋がる。
 ガサガサと焦らなくともよいではないか。
 確かに地域は苦しいけれど、人は経済 だけで生きているわけではない。
 観光はそこのところが本質として一番大事なのだということを忘れてはいけない。

 国は国で 「今」を凌ぐ最先端に執心する。
 それが得策と思うならそれでよい。
 地域としては、嵐がエリマキトカゲにならないことを願うばかりだ。
 しかし、地域は、日本人同志、あるいは外国の人たちともしっかり心と心を理解し共感し合える「物語」をじっくり創って行こう。
 地道に、しっか り、地域の心の物語を育てて行こう。
 お国の観光政策は人事次第でどうなるかわからないから今好きなことをやっていればよい。
 でも、地域はそんな軽いことは出来ない。
 地域は地域人がそれぞれの地域でずっとずっといつまでも暮らして行くのだから。

 ・・・あまりにも言葉の軽い我が国の観光長官に憤っていたら、もっとも言葉の力を信じていた劇作家・作家の井上ひさし氏が亡くなった。
 
 そもそも言葉が軽いのに決定は更に軽い、そんな何処かの長官とは全く違う作家でした。
 合掌

関連記事
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  ● 大臣も、いまや後悔の日々? 2(03/19)
about The Chief of JTA | comments(5) | trackbacks(0)
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Comments
フランスの懐の深さもスゴイと思いますが、韓国もとても思慮深いと思います。
韓国観光公社がつくる観光PR映画に、イ・ビョンホンの相手役として日本の栗山千明が抜擢されました。
http://navicon.jp/news/5666/
蕎麦屋の親爺の言う通り、国際観光振興って、自国に来てくれと連呼するだけの安易な宣伝じゃなくて、お互いに交流を深めましょうという発想が基本じゃないかと思います。観光振興ってのは人の移動を促すものですものね。
このあいだ湘南の江ノ電に乗ったら、車内の広告全部が京都の嵐電でした。なんだ?と思ったら、江ノ電と嵐電が姉妹提携したそうです。これも双方向ツーリズムですよね。
http://randen.keifuku.co.jp/news/2009/10/post-4.html
これに刺激されて、湘南の人が京都へ、京都の人が湘南へ、結構多くの人が観光に出かけているそうです。
アイドルの人気にあやかって自分の宣伝ばかりする広告ってエゲツないし、アイドルだけが日本の顔じゃないし、所詮一過性の目立ちたがり屋の発想ですよね。
観光は、みんないっしょに心を合わせてやるもんだと思います。
Posted by ドン・ガバチョット | 2010/04/13 5:38 PM

管理者の承認待ちコメントです。
Posted by - | 2010/04/13 11:17 PM

いやぁ、もう一人の蕎麦屋親爺殿
エリマキトカゲとチョロ松とヨン様とで導入部を持ってこられて、日仏150周年のCoolなデザイン論議から、溝のレベルを叩き、井上ひさしで「言葉の力」でトドメを打たれる、もう感服しました。 今、日本はまたこのエリマキトカゲ状態、ただ進んでいるだけでどこに向かっているか皆目わかりません。 
それにしても溝さん、完全に安タレント・プロモーターに成り下がっている。
最近は、右翼も溝さん叩きを始めているし、大分サポータークラブが溝さんの在任時期の徹底チェックとブログでの公開を企てているらしい。
県庁に報告される溝氏社長時期の経営実態調査報告書が公表されたら・・・
待っているしかない自分です。
Posted by 国交 正 | 2010/04/14 7:11 PM

井上ひさし氏への追悼記事に良い文章があります。
毎日新聞岩手版
http://mainichi.jp/area/iwate/news/20100413ddlk03040012000c.html
以下抜粋します。

 81年に単行本として出版された「吉里吉里人」は、日本から一地域が独立するという奇想天外の筋立てが、折からの地方分権の波に乗ってベストセラーとなった。吉里吉里地区では「独立記念式典」を開いて国旗を手に集落をパレードし、観光客誘致に乗り出した。
 ひさしさんが当時、山田町境の吉里吉里の人たちに書いた色紙が、関係者が地元で経営するレストラン「善兵衛」の店内に掲げられている。「吉里吉里の人には吉里吉里が世界の中心である。山田町の人には山田町が世界の中心である。問題は中心と中心がどうつきあうかだ」

・・・吉里吉里の人には吉里吉里が世界の中心である。山田町の人には山田町が世界の中心である。問題は中心と中心がどうつきあうかだ」、観光庁長官・溝畑さんに噛みしめて貰いたいがそんな人では・・・・

Posted by モウ一人の蕎麦屋親爺 | 2010/04/15 1:01 PM

観光庁溝畑長官殿、
先日、会津地方の観光業関係者との対話や震災被災地応援の話等興味深く拝聴いたしました。また、長官が親身真剣なのがヒシヒシと感じられました。自分自身、3月下旬に住まいの東京から西に旅行と思っていましたが、3.11により、中止しておりました。

その後、この委縮マインドが続けば、全体にとってトンデモナイ合成が成立してしまう。折角、景気がたちなおりかけていたのにと、思い直し、4月27日より駈け足で宮城、山形、福島の三県を3泊4日にて回って来ました。サクラの季節だったため、仙台市、山形市には地元の人で賑わっていましたが、米沢あたりは、観光の人が見えず寂しく感じられました。

メールを今回思いたったのは、ひとつ提言したいと思ったからです。商業的に、私企業が手をつけていれば、その必要はないのですが、是非、羽田や成田でTシャツを売ったらどうでしょう。(この場合は補助金という手も)。プリント内容は、JAPAN'S SAFEとか日本安全です。観光に予算的余裕があるなら、職員か委託者で出国者に配るというのどうでしょうか。

これから夏になり、Tシャツは着る機会が多くなります。是非ご一考は如何でしょう。海外へのメッセージになるのではと思います。
じつは、近く出国を予定していますが、日本と海外との便数も減っているとか、予約便の変更通知がありました。海外へのメッセージも多角的に発信する必要が求められることでしょう。
Posted by 河田 常弘 | 2011/05/06 10:15 PM

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