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    観光まちづくりとテロワールと・・・

    • 2010.07.03 Saturday
    • 00:06
    JUGEMテーマ:観光まちづくり



     昨年末の「本保観光庁長官更迭」事件を取り上げてから、そのテーマは前回で20本目となった。(^^)
     21本目の本記事のタイトルは、
     「観光まちづくりとテロワールと・・」
    だ。
     いくらあぶないもう一人の蕎麦屋親爺だからといって、勿論テロルではない(^^)
     BSフジで同名の韓国ドラマがあるが、それとも無縁であることをあらかじめお断りしておきます。
     さて過去の20本の記事をリストにすると・・
     よくまあ、書いてきたモノだ。(^^)
     記事アップの際、色々話し合った仲間と乾杯したい。
     最近の新聞は記事にはしても全般的にフォローがない。
     最初の記事など入口にしか過ぎないのにである。
     観光まちづくり現場こそが、国の観光「政策」という根っこの問題として観光行政・国交省行政をじっくり追いかけていくよりないわけだ。

     国交省の建設業と地域の元気回復助成事業で選考された茨木家中出張番屋修復工事に私も係わり、1年半をかけ工事は終了した。
     修復工事が完了した番屋の活用策をこれからじっくり築いていかねばならないのだが、ひとまずは一段落しこの1週間、実は呆けていた。(^^)
     深夜家族が寝静まってから一人ワインを味わう気分を久方振りに取り戻し、つらつらと考える。
     先月、完全放電しに伊豆・修善寺温泉の隣・湯ヶ島温泉に行ってきたときの会話が浮上する。
     泊まった旅館の女将さんが、
     「北海道からですか! 何か北海道も中国からの観光客が多いのだそうですねぇ?
      箱根もね、凄いらしいです、中国人観光客が!」
    と言ってきた。
     伊豆ではあまり中国人観光客の姿はみかけないで済んでいたのに、おいおい、修善寺や湯ヶ島温泉でも中国人観光客の話かい、と正直憮然としてしまった。(^^)

     天下の険として名高い景勝地、神奈川県の箱根の大涌谷。
     そこに行くと、あちらもこちらも見渡す限り大群の中国人観光客でごった返しているという。
     箱根の随所にある日帰り温泉も同様、露天風呂であれ内風呂であれ声高の中国語や哄笑が縦横無尽に飛び交うという。
     日本人観光客は圧倒されて風呂場の片隅で息を殺し、申し訳なさそうに肩をすぼめるばかりだ、と。
     その伊豆からの帰り、大学生の娘と合流し立ち寄った東京の秋葉原も同じだ。
     娘はiPadを買わせようという魂胆だったらしいが、逆に就活のテクを喫茶店で叩き込んで切り返して来たのだが、その秋葉原のまちなかも大型家電量販店も朝早くから押し寄せる中国人観光客で溢れかえるという。
     道を行く日本人たちは、持ちきれないほどに大量に買い物をして歩き回る中国人客の恐るべき購買力やエネルギーにただただ唖然とするばかりだという。
     そして、わが北海道の阿寒湖や能取岬も小樽も中国人観光客が激増している。
     道東を舞台にした中国映画「非誠勿擾」が中国全土で大ヒットしたためだ。
     街も旅館も中国人観光客の受け入れに大わらわらしい。

     中国人観光客は確かに増えている。
     例えばプリンスホテルグループに宿泊した中国人観光客は、2009年度は前年比なんと50%増の11万人を記録したそうだ。これは驚異的な伸びだ。
     中国人観光客は儲けを運んで来てくれる。
     中国人観光客が日本での買物に使う金額は、2007年の調査で1人あたり11万6,000円(JNTO調べ)、最近の調査では13万円(三菱総研調べ)だそうで、これは米国人のなんと4倍超。財布の紐の緩さが最大の魅力だ。
     そんなこんなで経済効果は、2008年の1,200億円から2012年には4,300億円に増加すると言われている。
     まさに不景気が続く日本にとって恵みの慈雨だ。
     政府が主張して来た「観光は成長戦略である」というのは、こういうことだったのかと、改めて実感する。

     中国人観光客は今後更に想像を絶するほど激増していく。
     この7月1日から、中国人の個人観光客向けビザの規制要件が大幅に緩和された。
     最大の緩和要件は、年収制限を25万元(約340万円)から6万元(約80万円)に減額、又は大手企業に勤めているかゴールドカードを持っているか。
     家族で誰か1人だけでも条件をクリアすれば、家族にも発給する。
     加えて、ビザ申請発給窓口を、現在の北京、上海、広州の3ヶ所に、瀋陽、大連、青島、重慶を加えて7カ所に拡大し、ビザ申請を仲介する旅行会社も48社から290社に大幅に拡大する。
     要するに、これまでは中国の富裕層に限られていたビザ発給を中間層にまで拡大するということ。
     対象はこれまでの10倍!!の1,600万世帯(日本の全世帯数の3分の1に匹敵)。
     当面は4,000万人以上と見られているが、中間層ということで言えば、中国全土でなんと4億4,000万人にも達するといわれている。
     これまで、中国人の団体旅行や商用への発給は75万人(2009年度)、2009年から始まった個人観光客への発給は半年で僅か7,688件だった。
     それだけでも、箱根の大涌谷は見渡す限り中国人観光客なわけだ。
     それが規制緩和によって、なんと10倍に・・・
     これはもう想像の範囲を遥かに超える。
     観光庁では、今年度は昨年より80%増の180万人を見込んでいるという。
     2009年度の訪日外国人は678万人で、2008年度比18.7%減だったが、中国人観光客に限って言えば100万人に伸びている。
     中国人観光客の日本ツアー熱は想像以上に旺盛のようだから、今度の個人観光客向けビザの規制緩和はたぶん爆発的な増加をもたらすことになるだろう。
     観光庁の180万人という予測は控え目に過ぎるかもしれない。
     国は観光を成長戦略と位置づけ、現在の678万人(2009年度)を、2020年初頭までには約3.5倍の2,500万人に増やし、これによる経済効果を14兆円、雇用効果を82万人と目論んでいる。

     前原国交大臣は観光を「財政出動のない成長戦略」として位置づけ、観光庁を新設した自公政権の数値目標を前倒しして、このような壮大な目標を掲げている。
     壮大な志たるや良いのだが、ここでふと現実に立ちかえってみる。

     重ねて書くが、現在の678万人だけで箱根の大涌谷は中国人観光客で埋め尽くされている。 
     それがこの7月1日のビザ発給の規制緩和によって10倍に激増する。
     そして更にあと10年以内で678万人を3.5倍の2,500万人に増やし、経済効果や雇用効果をめざましく成長させる・・・
     いい話じゃないか。みんなハッピーじゃないか、と・・・

     ちょっと待ってくれ。
     それでよいのか?
    と、言いたい。
     
     それを我々日本は、我々地域人は、本当に望んでいるのか?
    と、敢えて戸惑いたい


     「観光まちづくり」という言葉がある。
     確証はないが、恐らく90年代の終わりに、社団法人日本観光協会が使い始めたのではないかと思われる。
     1997年小樽でオール小樽の「小樽観光誘致促進協議会」が誕生し、全体会議で「これまでソフトウェア事業は観光で精一杯やってきた、しかしこれからはハードウェア事業も含めたトータルな『観光まちづくり』の時代だ。」とアジったら、当時の観光協会・常務理事氏(市役所出身)が、「観光は経済部、まちづくりは都市計画部であってそれを一つにするなんて何か危ないこと考えてるんじゃないか?」と心配そうに後で耳元に囁いてきた。(^^)
     それが二年前から小樽観光協会の4つの委員会のひとつに「観光まちづくり委員会」が設置される時代になった。
     これは、地域外から経済を呼び込む「観光」と、地域内の暮らしをよりよくしようという「まちづくり」とを合体させた言葉である。
     まちの活力とは経済と文化の両立であり、住民にとって、経済が元気で雇用が充足され、住みやすく生き甲斐のあるまちが一番である。
     少なくとも観光ベッタリのまちは住民にとっては決して好ましくない。
     ゆえに、そういう観光づくりは避けたい。
     時代が、人々が、既にそのようなガサツな観光を欲していない。
     観光のあり方をこそ代えなければいけない。
     だから観光起点の(観光ベッタリの)まちづくりはよくない・・・
     このような文脈において生まれて来た言葉が「観光まちづくり」ではないかと思う。
     国土総合研究機構の「観光ま ちづくり研究会」では「観光まちづくり」について、
     「誇りを持って暮らし続けられるまちを育てよう、
      
誇りあるまちを、訪れた人々に楽しんでいただこう
    と定義している。
     「観光」の語源は中国の「易経」にあり、光とは「誇り」、観とは「観せる」、つまり、観光とは国(地域)の誇り(光)を内外に示 すという意味であるが、この国土総合研究機構の定義は、まさにこの語源に依拠している。

     「住んでよし、訪れてよしのまちづくり」という言葉もある。

     これは日本観光協会の元会長、石月昭二氏が言い出し、もっぱら故・木村尚三郎東京大学名誉教授が著書や講演等で全国に流布させた言葉だが、この文脈もまた「観光」の原義に通じ、「観光まちづくり」にピタリと重なるものである。

     「観光まちづくり

     「住んでよし、訪れてよしのまちづくり
    は今や誰でもが知っており、日本中の多くのまちに受け入れられている。
     なぜなら、これまで観光地だけのものだった「観光」が、観光地ではない普通のまちにとっても有用な概念になったこと、あるいは、これまで内々だけの活動でしかなかった「まちづくり」を外部の視点を入れる活動に変えたことである。
     まちづくりによって光(誇り)を育て、内にも外にも観せること、それが「観光」に通じる。 
     ゆえに、「観光まちづくり」「住んでよし、訪れてよしのまちづくり」は住民一人ひとりの問題であり、観光業者だけの話ではないし、少なくとも経済成長だけの話でもない




     ワインの世界で今「テロワール (Terroir)」という言葉が議論のまとになっている。

     テロワールとは「土の味」とでも訳すべきか。土地ごとの畑の葡萄の味こそそれぞれのワ インの味であるという意味で使われる。
     近年、アメリカのワイン評論家ロバート・M・パーカー氏がワインを100点満点で評価した「PP」(パーカー・ポイント)なる点数が、世界中のワインのラベルに表示されるようになって来た。
     一方、ミシェル・ロラン氏というワイン・コンサルタントが、 地元フランス、ヨーロッパばかりか日本も含めて世界中のワイナリーにワイン製造のノウハウを提供している。
     彼の助言に従えば、必ず世界市場で売れる。
     氏がいなければ最早世界中のワイナリーはやっていけないとさえ云われている。
     パーカー氏とロラン氏は昵懇で、ロラン氏の手になるワインにパーカー氏が高いPPを与えたり、あるいはパーカー氏の好みに合わせてロラン氏がワインを作ると言われている。
     パーカー氏とロラン氏の手にかかれば、 地酒ワインを細々と作っていた零細なワイナリーが一気にグローバル・カンパニーとして飛躍的な発展を遂げる。
     かくして今日の世界のワイン市場はこの二人のグローバル・スタンダードとしての「味覚」に怒濤のように支配されつつある。



     これに対して、数百年の伝統の地酒の味を守って来た一部のワイナリーは強硬に異を唱える。
     土地ごとの風土の味である「テロワール」こそがワインの命であり、
     消費者はそれぞれ自分に合ったテロワールを愛する。

     ゆえに、世界企業に発展せずともテロワールを守り抜くことこそワインの作り手の使命であり、
     それが歴史であり文化である。
    と。
     パーカー氏とロラン氏に席巻されながらも、必死にテロワールを守ろうとしている伝統的なワイン職人の古老たちは、要するに
     「売れればいいってもんじゃないだろう
    と言っている。
     会社をやっている限り、売れて儲けて会社が大きくなることは確かに大目標である。
     しかし、それだけかと言うと、そうではないだろう。
     何十年、何百年の間、何代もの父祖たちそれぞれが人生を賭して来たワイン作りには、それだけでは割り切れない何か、例えば歴史の使命感のような、あるいは、生きて在る営みの真理のような、奥深いものがある。
     テロワールという言葉にはそういうものが含まれているし、地元の釀造会社にこの「テロワール」と言う言葉を叩き込みたい。
     これからすれば経済原理は悪魔の誘惑である。
     ゆえに、その誘惑に屈することなく、自分のテロワールを守り抜くことが、歴史を紡ぐために今を生きる自分の存在証明である。
     有り体な言い方をすれば、目先のカネで転ぶほどワイン作りはヤワな仕事ではないということだ。
     だからこそワインなのだ。



     まちも国も、ワインのテロワールと同じであると思う。
     「守るもの」がある筈だ。
     守るものがあって初めて「まち」であり「国」なのだ。
     そう考えると、観光を成長戦略だけで捉えることに、とても違和感が ある。
     「守るべきこと」を意識することなく、ただひたすら外国人観光客を集客することだけに盲目的に邁進する成長戦略に対して、果たしてそれでよいのかと立ち止まってしまう。

     別に中国人や外国人の観光客の激増をイヤだと言っているのではない。
     ビザの発給要件を緩和すると旅行中の失踪や就労 目的の不法滞在が増える
    とか、
     中国ではこの7月1日に「国防動員法」が施行されて国民皆兵となるからスパイだらけになる
    とかそういうことを心配しているのでもない。
     民族主義でも排他主義・排外主義でもない。
     外国人観光客を増やすことが国是であると、それが善いことなのだと、カンタンに言ってのける、その軽さにはついて行けないのだ。

     観光まちづくりを長いことやって来て、最近ひたすら感じる。
     どうやら国とは、歩もうとしている道筋が違うのではないか、と。
     政府は、
     観光を儲かるんだから兎に角も外国から客を引っ張って来る、
     ゼニ儲けの何が悪い、
     成長こそ国民の幸福、
     誰も文句を言う奴などいる筈がない、
     観光とはそういうものだ、
    と考えているように見える。
     しかし、観光まちづくりをやって来た者には、彼らのそうした単純な理屈や発想でこれこそ善政と決めつける独善性がどうにも素直に受け入れられない。
     少なくとも私はゼニ儲けだけで観光まちづくりをやって来た覚えはない。
     生きて暮らしているこのまちを、住んでいる人にも訪れる人にもいいまちだと思って欲しい。
     このまちでなら死んでもいいと思えるまちにしたいと思って微力ながら精一杯頑張って来たつもりだ。

     先ずは外国人を呼び寄せることにばかり注力し、人口1億2,700万人の日本に、その5分の1に匹敵する2,500万人の外国人観光客を呼び込むという成長戦略が、我々日本にとって果たして本当に幸福なことなのか。
     そういう経済本位の成長主義ではなくて、先ずは「住んで良し、訪れて良し」の国づくりにもっと真剣に、熱心に注力する、その成果として外国人観光客がたまたま増加するならそれはそれで幸運なことだ、という考え方もある筈だ。
     数を追うか、理念を追うか、どちらのアプローチも日本の国づくりにとって一理あろう。 
     つまり、これは日本の重要な選択なのである。

     ここで言いたいことは、問題提議である。
     外国人の誘客に血道をあげる今の政策を、我々日本国民は望んだのか?
     それは我々国民の選択なのか?
     その政策に国民合意はあったのか?

     その政策は自公政権から始まり今の民主党政権に受け継がれている。
     極めて大きな日本の国づくりの分岐点なのに、いつの間にか既成事実になっていた。
     そして、ある日、箱根の大涌谷や全国各地の観光地を訪れた時、見渡す限り外国人であることにビックリする。
     それをイヤだという人もいる筈だ。
     あれ?箱根ってこういう所だったっけ?と思っても、昔を懐かしんで後悔しても、もう遅い。
     イヤだろうがナンだろうが2,500万人の外国人観光客はやって来る。
     その「成長」の代償として、我々日本が失うだろうことは何か、守るべきであることは何かについて少しも考えるヒマもなく、その洪水に呑み込まれて行く…

     国はそのように進むだろう。
     であるなら、地域はちゃんと考えよう。
     地域の経済は苦しい。
     しかし成長至上主義の果実など直ぐに食い尽くしてしまう。
     そして、その負のツケはほどなく必ず回って来る。
     それは高度経済成長期の公害、バブル経済の不良債権、小泉・竹中政権の格差社会など、歴史が明白に証明している。

     今、日 本はもう成熟した大人なのだ。
     大人ならではの豊かな経験と良識がある筈だ。
     地域のテロワールを失って、地域の真の豊かさはどこにあろう?
     目先のカネに振り回されず、もっと長い目で、歴史の中で、地域の暮らしの本当の豊かさをしっかり考え、じっくり創って行くべきだ、と思う。

     これだけは言いたい。
     いま先ずは、地域は自問自答しよう。
     これでいいのか、と。
     

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