2007.09.19
思う秋
謙虚に そして気迫の 深い秋
見わたしても 花のない 深い静かな時節
日々が 遅滞なく進行しやすい 好機
土に稔る 作物に等しく
年の始めより 心にかけた作業が 仕事が
形となり 色を増して姿を見せる
収穫の時を むかえる
もとより 事のすべてが 唯一人で成就するものでない
されど 周囲の一人一人が 動き 作意し 吟味しての 豊穰にほかならぬ
やりとげた事 思いのみで至らなかった事 そして成すべき事
一人静かに 秋の気を呼吸する 深思の時を大切にしたい
茶の先達 武野紹鴎 「十月こそ侘びなれ」の一言を 味読しつつ
そして一日の終わりに 掌中に 我が酒
謙虚と気迫の輝きで 疲れ干涸びた唇を濡らす 喜び