しりべし(後志)の野山が,美しい衣装を纏っている.
この後志の彩りの深い秋の道を走ることを,今年も出来る.
昨年の今頃は,二度とこの野山を見ることが出来なくなるかという想いで,わが街から向かったものだった.
彩りの衣装を着た野山は,そんな私を笑みを浮かべて通過させてくれる.
今年の秋も,お前は来たのだなと.
花同じうして 人同じからず.
その言葉どおりの,何千年をこの野山は見守り続けて来たか.
所詮,人の生き様など,野山から見ればそんなもの.
どれだけ,「懸命さ」と「したたかさ」で生きる人間だけが,この野山と会話できるのでは,と思う.
まだまだ,私はその会話を出来るまでに至っていない.