これが、ニューヨーク・タイムズスクエアをはじめ133カ国の海外の空港や観光施設で放映されている、この国の観光庁製作の日本PRのCFだそうだ。
・・・情けなさすぎる。 日本観光のプレミアム・ディスティネーションを高める観光圏を全国に配置する「観光圏構想」が2年前打ち出され、全国の地域が応募し観光圏が選定された。 しながら、予算は大削減され選定された地域は途方にくれた。 その観光庁は、地方にカネがなくても知恵で頑張れと叱咤してくれたものだった。 ところが、本家の観光庁が潤沢な税金を湯水のように使って「当のお目当ての外国人訪日観光」キャンペーンCFを製作し、海外の空港などで流している。 しかし、それが外国の報道から鋭い批判を浴びている。 どんなCFかとYUTUBEで調べたら、↑ だった。 全く、「広告」というものへの無理解、言語という壁を越えて何を五感に訴え誘うのかというコンセプトがゼロのCFだ。 ニューズウィーク日本語版編集部 VOICES コラム&ブログ 「フロム・ザ・ニュースルーム」で、2011.8.19に 「嵐の日本PRを外国人がメッタ切り」というタイトルで批判を展開されてしまった。 是非一読を。 で、読んでみた。 良く言ってくれたと拍手喝采したい。 しかし、こんな体たらくでは困ったものだ。
広告代理店に企画を出させて、選んだものだろう。 が、企画を選ぶ側に能力がなければ、それなりのレベルにしか行かない。 広告なるもの、あるいは日本なるものに対してコンセプトがない。 してみれば、千客万来、商売繁盛という「招き猫」をゆるキャラにし嵐や各地域の人々にそのゆるキャラポーズを取らせるというこのCFは、観光庁の、とりわけ観光庁長官の本音そのものをさらけ出し、それが不興を買っているわけだ。
要は、「集客」すればいいというだけのプロモーター根性だけでは、人の心を動かし行動を喚起するいい広告はつくれない。 それは同時に、いい政策も作れないということだ。 恥ずかしいにもほどがある。 招き猫を使った「ゆるキャラ」が、PRの表現として有効なのは日本国内だけということに、海外向けCFをつくる当の観光庁がそのことに全く気づいていない。 ・・・情けなくて涙もでない。 意見を具申しても通じない観光庁長官だとは聞いている。 が、ここまで最悪だと、それはもう理由にならない。 同じく、ニューズウィーク日本語版編集部 VOICES コラム&ブログ、「プリンストン発 新潮流アメリカに 2011.08.22 「観光庁CFのミスは極めて初歩的だという理由」で、冷泉彰彦氏が一文を掲載している。 これも、是非一読を。 あの2009年10月1日に、日本全国の観光関係者が一同に会し「観光庁の誕生」を祝った、あの期待と熱気が・・懐かしい。 私がいう、「広告、CF」とは、↓ こういうものを言う。 「観光庁長官・溝畑さん、今度は「嵐」ですか?」 2010.04.13 Tuesday 紹介したニューズウィークの2つのコラムが表示されなくなったら困るので、いかに転載しておこう。